ルブランの名文

ルブランの作品から、よく知られた一節を集めました。

2件

奇巌城

レイモンドはふと聞き耳をたてた。再び聞ゆる怪しい物音は、寝静った真夜中の深い闇の静けさを破ってどこからともなく聞えてきた。

菊池寛訳『奇巌城』の書き出し。古い僧院の跡が残る屋敷で、真夜中の怪しい物音に少女が目を覚ます。ルパンをめぐる事件の幕開け。

少年のすぐ眼の下に底の知れない蒼海の真只中から、空中につっ立っている一つの大きな大きな巌がある。高さが四十間以上もあり巨大な針のように上の方へ行き、次第にだんだん細くなっている有様は、ちょうど大怪物の牙のようである。

少年探偵ボートルレがエトルタの海岸で見上げる、針の形をした大岩。題名の「奇巌城」の姿を印象づける描写。

この作家について

ルブラン