三好達治の名文
三好達治の作品から、よく知られた一節を集めました。
2件
測量船
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
「雪」全篇。同じ形の二行を並べるだけで、雪の降り積もる夜の静けさと子らの眠りを描き切った現代詩の名品。
艸千里
しかはあれ 若き日のわれの希望と 二十年の月日と 友と われをおきていづちゆきけむ
三好達治『艸千里』(1939年)の表題作「艸千里濱」より。かつて訪れた阿蘇の草千里を二十年ぶりに眺め、山は変わらないのに、若き日の希望も友も去ったと嘆く。文語の調べが中年の哀感を格調高く歌う。