織田作之助の名文

織田作之助の作品から、よく知られた一節を集めました。

1件

夫婦善哉

「こ、こ、ここの善哉はなんで、二、二、二杯ずつ持って来よるか知ってるか、知らんやろ。こら昔何とか大夫ちう浄瑠璃のお師匠はんがひらいた店でな、一杯山盛にするより、ちょっとずつ二杯にする方が沢山はいってるように見えるやろ、そこをうまいこと考えよったのや」蝶子は「一人より女夫の方がええいうことでっしゃろ」

法善寺の「めをとぜんざい」で交わす結びの会話。一杯を二杯に分ける理由に夫婦のかたちを見て終わる、大阪市井小説の名高い幕切れ。

この作家について

織田作之助