プーシキンの名文
プーシキンの作品から、よく知られた一節を集めました。
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スペードの女王
近衛騎兵のナルモヴの部屋で骨牌の会があった。長い冬の夜はいつか過ぎて、一同が夜食の食卓に着いた時はもう朝の五時であった。
プーシキン『スペードの女王』の書き出し。ペテルブルグの士官たちの賭博の夜明けから、三枚の札をめぐる怪談が始まる。岡本綺堂の訳。
精神界において二つの固定した想念が共存するということは、物質界において二つの物体が同時に同じ場所に存在する事と同じように不可能である。
ある秘密を知った主人公ヘルマンの心を語る、警句のような一文。ひとつの考えに取りつかれていく人間を、冷ややかな理屈で言い表す。
ヘルマンははっとした。一の札だと思っていたのが、いつの間にかスペードの女王になっているではないか。
必勝の三枚の札に全財産を賭けた最後の勝負で、出した札が入れ替わっていたことに気づく場面。題名の札が運命を決める。