シートンの名文
シートンの作品から、よく知られた一節を集めました。
3件
狼の王ロボ
「カランポーの谷の王様おおかみロボの首に、一千ドルの懸賞がかけられた。」
シートン『狼の王ロボ』の書き出し。北部メキシコの牧場を荒らす狼王の噂から、知恵比べの物語が始まる。少年向けの平易な訳文。
りこうぶった私の計略は、狼王ロボのためにすっかり裏をかかれてしまったのである。
苦心の毒餌を、ロボが食べずに一か所へ積み上げていたと知った場面。人間の策をことごとく見抜く狼の賢さに、語り手が舌を巻く。
「ロボはやっぱり王様だったな。その死に方まで……」
捕らえられたロボが息絶えたのち、羊飼いがもらす言葉。誇り高い狼の最期に、語り手も黙ってうなずく。