司馬遷の名文
司馬遷の作品から、よく知られた一節を集めました。
4件
国訳史記列伝
伯夷・叔齊の若きは、善人と謂ふ可き者か非か。仁を積み行を潔うし、此の如くにして餓死せり。
司馬遷が、天は常に善人に味方するという言葉を引いたうえで投げかける問い。仁を積んだ伯夷・叔斉が餓死した事実を突きつける。
吾嘗て三たび戰うて三たび走る。鮑叔、我を以て怯と爲さず、我に老母有るを知れば也。
管仲が親友・鮑叔牙の理解を語る一節の一部。失敗のたびに事情を汲んでくれた友への感謝が、「管鮑の交わり」の故事のもとになった。
余甚だ惑ふ。儻くは所謂天道は是か非か。
善人が報われず悪人が栄える例を重ねた末の、司馬遷の嘆き。「天道是か非か」の成句の出典で、列伝全体の序としての重みを持つ。
我を生む者は父母、我を知る者は鮑子也
管仲の言葉の結び。自分を生んだのは父母だが、自分を本当に知ってくれたのは鮑叔だという、友情を語る言葉として今も引かれる。