種田山頭火の名文

種田山頭火の作品から、よく知られた一節を集めました。

6件

草木塔

分け入つても分け入つても青い山

行乞流転の旅に出た山頭火の代表句。季語も定型も捨てたまま、歩いても歩いても果てない青い山だけが立ちはだかる。

うしろすがたのしぐれてゆくか

行乞の旅を続ける自らの後ろ姿を、時雨の中に見送るように詠んだ一句。自由律俳句を代表する孤独のかたち。

まつすぐな道でさみしい

行乞の旅の途上の句。まっすぐに続く一本道の見通しのよさが、かえって行く先の孤独を際立たせる。自由律俳句ならではの口語の響きが胸に残る。

鴉啼いてわたしも一人

「放哉居士の作に和して」と前書のある句。尾崎放哉の「咳をしても一人」に応えて、鴉の声を聞く自分の孤独を重ねた、自由律の二人を結ぶ一句。

あるけばかつこういそげばかつこう

信濃路での句。歩いても急いでも郭公が鳴く——同じ言葉の繰り返しが歩みのリズムと鳥の声を重ね、旅の軽やかな一面を伝える。

この道しかない春の雪ふる

自分にはこの道しかないと思い定める句。春の雪が降るなかを歩む姿に、放浪の生き方を引き受けた覚悟がにじむ。

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種田山頭火