八木重吉の名文
八木重吉の作品から、よく知られた一節を集めました。
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秋の瞳
私は、友が無くては、耐へられぬのです。しかし、私には、ありません。この貧しい詩を、これを、読んでくださる方の胸へ捧げます。そして、私を、あなたの友にしてください。
第一詩集『秋の瞳』の序。二十九歳で世を去った八木重吉の、孤独と信仰に根ざした素朴な詩の世界が、読者への短い呼びかけに凝縮されている。
貧しき信徒
この明るさのなかへ ひとつの素朴な琴をおけば 秋の美くしさに耐えかね 琴はしずかに鳴りいだすだろう
四行だけの詩「素朴な琴」。秋の明るさに耐えかねて琴がひとりでに鳴るという、澄んだ信仰のような一篇。