北村透谷の名文
北村透谷の作品から、よく知られた一節を集めました。
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厭世詩家と女性
恋愛は人世の秘鑰なり、恋愛ありて後人世あり、恋愛を抽き去りたらむには人生何の色味かあらむ
評論の冒頭に置かれ、明治の青年たちに衝撃を与えた一文。恋愛を人生の秘密を解く鍵とたたえ、近代的な恋愛観を高らかに宣言した。
罪と罰(内田不知庵訳)
沈痛、悲慘、幽悽なる心理的小説「罪と罰」は彼の奇怪なる一大巨人(露西亞)の暗黒なる社界の側面を暴露して餘すところなしと言ふべし。
北村透谷が内田不知庵訳『罪と罰』を評した書評の冒頭。明治の読者に向け、作品の本質を漢語の連なりで言い当てる。
讀去り讀來つて纖細妙微なる筆力まさしくマクベスを融解したるスープの價はあるべし。
殺人の場面の筆致を評した透谷の一文。『マクベス』を溶かしたスープという大胆な比喩で、ドストエフスキーの力量をたたえる。