小川未明の名文
小川未明の作品から、よく知られた一節を集めました。
3件
赤いろうそくと人魚
人魚は、南の方の海にばかり棲んでいるのではありません。北の海にも棲んでいたのであります。
思い込みをひと言で覆して始まる童話の書き出し。北の海の人魚が人間に託した娘の悲しみを描く、日本創作童話の名作。
幾年もたたずして、そのふもとの町はほろびて、滅くなってしまいました。
人魚の娘を売り飛ばした町に訪れる結末。因果を淡々と告げる一行が、静かな怖さとともに物語を閉じる。
野ばら
大きな国と、それよりはすこし小さな国とが隣り合っていました。
昔話の調子で始まる反戦童話。国境の石碑を守る老兵と若者の交流が、遠い戦争によって断ち切られる。