斎藤茂吉の名文

斎藤茂吉の作品から、よく知られた一節を集めました。

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念珠集

かういふ想出は、例へば念珠の珠の一つ一つのやうにはならぬものであらうか。

留学先で父の訃報を受けた茂吉が、少年時代の父の思い出を書きとめようと思い立つくだり。書名『念珠集』の由来を語る一文である。

万葉秀歌

要は繰返して読み一首一首を大切に取扱って、早読して以て軽々しく取扱われないことを望むのである。

斎藤茂吉『万葉秀歌』の序の一節。選んだ歌を急いで読み流さず、一首ずつ繰り返し味わってほしいという、歌人らしい願いが込められている。

万葉集の傑作といい秀歌と称するものも、地を洗って見れば決して魔法のごとく不可思議なものでなく、素直で当り前な作歌の常道を踏んでいるのに他ならぬという、その最も積極的な例を示すためにいきおいそういう細かしきことになったのである。

同じく序より。助詞一つ、句一つにこだわる評釈の理由を説き、秀歌も作歌の常道の上にあるという茂吉の歌論を示す。

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斎藤茂吉