若山牧水の名文

若山牧水の作品から、よく知られた一節を集めました。

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みなかみ紀行

啄木鳥の声のさびしさ飛び立つとはしなく啼ける声のさびしさ

『みなかみ紀行』で、草津から沢渡へ向かう途中、立ち枯れの木が続く野原で詠んだ歌の一首。「声のさびしさ」を重ねる調べに旅の心細さがにじむ。

かりそめにひとつ拾ひつ二つ三つ拾ひやめられぬ栗にしありけり

花敷温泉へ向かう野路で、落ちた栗を拾いながら詠んだ一首。一つのつもりが止まらなくなる素朴な楽しさが、牧水らしい自然な口調で歌われる。

酒と歌

今まで自分のして來たことで多少とも眼だつものは矢張り歌を作つて來た事だけの樣である。いま一つ、出鱈目に酒を飮んで來た事。

四十二歳の厄年に半生をふり返った随筆『酒と歌』の書き出し。歌と酒を並べて自分の生涯とする、酒の歌人・牧水らしい自己紹介である。

さうすればこの廿年來の親友は必ず本氣になつてわたしのこの懸命の爲事を助けてくれるに相違ない。

同じ随筆の結び。酒を「廿年來の親友」と呼び、歌にも酒にも本気で向き合い直そうと誓う、牧水の心境がよく表れている。

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若山牧水