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入庵雑記(尾崎放哉)のあらすじ・登場人物

小豆島の庵で暮らし始めた記録

尾崎放哉 

文字数
21,050字
読了目安
約42分
表記
新字旧仮名
種別
随筆
舞台
  • 香川県

この作品について

尾崎放哉が、小豆島の南郷庵に入って暮らし始めるまでの事情と庵での日々を、世話になった人々への感謝をこめて綴った長めの随筆。島に来るまでの経緯、庵の暮らし、周囲の人々への礼が記され、晩年の放哉の孤独と安らぎが伝わる。

あらすじ

書き出しは、このたび仏恩によって南郷庵の留守番に坐ることになった、という報告である。庵は小豆島八十八ヶ所の五十八番札所・西光寺の奥の院で、六畳の間にお大師様を祀り、八畳が居間・応接間・食堂・寝室を兼ねる質素な建物だと細かに説明する。「島に来るまで」の章では、庵に入るまでの経緯が語られ、庵での暮らしぶりが綴られていく。結びでは、世話になった方々に深い感謝の意を表し、「南無阿弥陀仏」で稿を終える。大正14年11月5日の日付が記されている。

冒頭部(原文より)

    島に来るまで  この度、仏恩によりまして、此庵の留守番に坐らせてもらふ事になりました。庵は南郷庵と申します。も少し委しく申せば、王子山蓮華院西光寺奥の院南郷庵であります。西光寺は小豆島八十八ヶ所の内、第五十八番の札所でありまして、此庵は奥の院となつて居りますから、番外であります。已に奥の院と云ひ、番外と申す以上、所謂、庵らしい庵であります。

「入庵雑記」尾崎放哉(青空文庫)

末尾部(原文より)

 いや、非常な大脱線で、且、大分ゴタ/\して来ましたから、此の入庵雑記もひとまづ此辺で打切らしていたゞかうと思ひます。筆を擱くにあたりまして、今更ながら井師の大慈悲心に想到して何とも申すべき言葉が御座いません。次に西光寺住職、杉本師に対しまして、之又御礼の言葉も無い次第であります。杉本師は、同人としては玄々子と称して居られますが、師は前一寸申上げた通り、相対座して御話して居ると、全く春風に頬を撫でられて居るやうな心持になるのであります。此の偉大な人格の所有主たる杉本師の庇護の下に、南郷庵に居らせていたゞいて居ると申しますことは、私としまして全く感謝せざるを得ない事であります。同人、井上一二氏に対する御礼の言葉は余りに親しき友人の間として、此際、遠慮さして置きます。扨、改めてお三方に深い感謝の意を表しまして、此稿を終らせていたゞきます。南無阿弥陀仏。 (十四年、十一月五日)

「入庵雑記」尾崎放哉(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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