老境(河井酔茗)のあらすじ・登場人物
老いてなお俗塵の中に暮らす
- 文字数
- 169字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
河井酔茗の詩。1943年(昭和18)の詩集『真賢木』に収められた。老いても仙人にはならず、茶の煙とともに俗世の中に暮らす日常を、短い行を重ねて淡々と描く。
あらすじ
「吾老いぬれど仙家に入らず、茶烟軽く紅塵の裡に住む」と始まる。柴の門を守るのは自分の家の月、竹窓に吹くのは隣家の風。人が来れば迎えて会い、去れば自分の座に戻る。眠り足りて夢なく、起きて倦むことがない。昼には昼に書くことがあり、夜には夜に語ることがある。世にあずけた寿命は、時が来れば世に返そう。草の命は自分の命より短く、樹の年輪は自分の年輪より多い。その中で心眼を澄ませ、天人の五衰さえ問わないと詩は締めくくられる。
冒頭部(原文より)
吾老いぬれど 仙家に入らず 茶烟軽く 紅塵の裡に住む 柴門を守るは 吾家の月 竹窓に吹くは 隣家の風
「老境」河井酔茗(青空文庫)
末尾部(原文より)
草の生命は わが生命より短く 樹の年輪は わが年輪より多し わが生命の一瞬 心眼明らかに 天人の五衰は 問はず
「老境」河井酔茗(青空文庫)
原文を読む
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