ゆづり葉(河井酔茗)のあらすじ・登場人物
新しい命に譲る大人の願い
- 文字数
- 442字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
河井酔茗の詩。詩集『紫羅欄花』(1932年)に収められた。ゆずり葉の木を見上げながら、親が子どもに命と世界を「譲る」ことを説く。新しい葉が出ると古い葉が落ちる自然の摂理を、世代の継承にたとえた温かい呼びかけの詩で、広く親しまれる。
あらすじ
「子供たちよ。これは譲り葉の木です」と呼びかけて始まる。新しい葉が出来ると古い葉が入れ替わりに落ちる。厚く大きな葉でも新しい葉に命を譲って無造作に落ちるのだと語り、続けて、子供たちは何も欲しがらなくても、太陽が廻るかぎり、大都会も読みきれない書物も、みな譲り受けることになると告げる。親は何ひとつ持って行かず、よいものや美しいものを子供たちに譲るため一生懸命に働いている。今は気づかなくても、そのうち気づく日が来て、もう一度譲り葉の木の下に立つ日が来るだろうと結ばれる。
冒頭部(原文より)
子供たちよ。 これは譲り葉の木です。 この譲り葉は 新しい葉が出来ると 入れ代つてふるい葉が落ちてしまふのです。 こんなに厚い葉 こんなに大きい葉でも 新しい葉が出来ると無造作に落ちる
「ゆづり葉」河井酔茗(青空文庫)
末尾部(原文より)
いのちあるもの、よいもの、美しいものを 一生懸命に造つてゐます。 今、お前たちは気が附かないけれど ひとりでにいのちは延びる。 鳥のやうにうたひ、花のやうに笑つてゐる間に気が附いてきます。 そしたら子供たちよ もう一度譲り葉の木の下に立つて 譲り葉を見る時が来るでせう。
「ゆづり葉」河井酔茗(青空文庫)
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