青き蜜柑(森川義信)のあらすじ・登場人物
掌にしみる青き蜜柑
- 文字数
- 145字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
森川義信が十代で『蝋人形』に発表した、七五調の叙情詩。夕暮れの丘で青い蜜柑をもぎ、背いた人の町を思う。後年の硬質な『荒地』期とは異なる、初期のやわらかな抒情がうかがえる。
あらすじ
「愁ひ来て丘にのぼりて/酸の香る蜜柑もぐなり」と始まる。悲しみの青い蜜柑を手にとると、栗林を越えて、背いた君の町が見える。夕暮れに深く沈み、掌にしみる青い蜜柑を噛んで何を思うか、昔の日はみな空しいのに、ああされど君も寂しいと、この丘の青い蜜柑の香りがなぜか愛でられる。自らの影を踏みながら夕暮れの丘を下りた、掌に悲し青き蜜柑よ、と繰り返して結ぶ。
冒頭部(原文より)
愁ひ来て丘にのぼりて 酸の香る蜜柑もぐなり 悲しみの青き蜜柑を 栗林こえて見ゆるは 背きにし君の町なるぞ ゆふぐれに深く沈みて 掌にしみる青き蜜柑よ そをかみて何を思はむ
「青き蜜柑」森川義信(青空文庫)
末尾部(原文より)
昔の日は皆空しきに ああされど君も寂しと この丘の青き蜜柑の その香りなぜか愛でたり 自らの影をふみつつ ゆふぐれの丘を下りき 掌に悲し青き蜜柑よ
「青き蜜柑」森川義信(青空文庫)
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