廃園(森川義信)のあらすじ・登場人物
骨を折る音のなかで
- 文字数
- 355字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
森川義信の「廃園」と題した詩のうち、「骨を折る音」で始まる長めの一篇。荒れ果てた園を行く「ゆくひと」に向けて、失われたものを問いかける。同題の別稿も残る。
あらすじ
「骨を折る音/その音のなかに/流れる水は乾き」と始まる。菫色の空は落ち、濡れた額は傾いて眠り、見えない推移の重さに、目を閉じて凍える半身は、崩れる影とともに忘却を待つ。「想ひ出せないのか/ゆくひとよ」と語りかけ、かつては水の美しい町にいたこと、一度行けばもはや帰れないことを問う。梢に羽ばたく音はなく、花の根も枯れ、前にあった園は荒れ果て、おまえが創った黄昏のなかには、凭れかかる肩も、壊れた家具さえない。傷痕からあふれる明りも暗い調和のうちに消えている、と続く。
冒頭部(原文より)
骨を折る音 その音のなかに 流れる水は乾き 菫色の空は落ちて 石に濡れた額は傾くままに眠つた みえない推移の重さに みえない推移の重さに 眼をとぢて凍える半身は
「廃園」森川義信(青空文庫)
末尾部(原文より)
どうして倒れるやうに 生命の佗しい地方へかへつて来たのか 骨を折る音 その音とともに 風が立つ いちぢるしく おまへのなかから風が立つ その風は しびれるやうにわたしを貫いて吹く
「廃園」森川義信(青空文庫)
原文を読む
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