独絃哀歌(蒲原有明)のあらすじ・登場人物
孤独の調べを奏でる第二詩集
- 文字数
- 10,317字
- 読了目安
- 約21分
- 表記
- 旧字旧仮名
この作品について
蒲原有明の第二詩集。1903年(明治36)5月刊。『太陽』『明星』などの雑誌に発表した詩を改めてまとめたもので、友人の画家山下幽香が表紙と挿画を担当した。「哀調」の訳者(上田敏)に献じられ、十五首の「独絃哀歌」のほか、「小鳥」「星眸」「霊鳥の歌」などを含む。
あらすじ
例言は、収録詩の大半が一昨年の秋以後の作で、「小鳥」「星眸」が最も古く、「霊鳥の歌」だけが未発表の最新作だと説明する。本篇の「独絃哀歌」には番号つきの詩が続く。第一首は「道なき低き林のながきかげに君さまよひの歌こそなほ響かめ」と始まり、星影のかがやく夜空の下で歌い続ける理由を問う。第二首「聖菜園」では、心の糧を得る菜園を耕す日々のなかに、時に恐怖がふき荒れ歓楽も願いもあだに消える世界を見る。巻末の「死の盞」では、海に身を沈める愛を、恋の実したたる酒にたとえ、「わたづみの戀、海の日や」と歌う。
冒頭部(原文より)
哀調の譯者に獻ず 例言 一、この小册子に蒐めたる詩稿は曾て「太陽」「明星」其他二三の雜誌に載せて公にしたるものなり、ここに或は數句或は數節改刪して出せり。 一、諸篇中「小鳥」「星眸」等の如きは最も舊く、其他多くは一昨年の秋このかたの作なり。ただ「靈鳥の歌」のみ未だ公にせざりしものこれを最近の作となす。
「独絃哀歌」蒲原有明(青空文庫)
末尾部(原文より)
おもひのかげよ、―― わが眞白手、 いざこのさかづき飮みほしてむ。 わたづみの戀、海の日や、 照らせあふれよ、 夢ふかかれ、 濃ゆかれこの酒、このあやしみ。 (明治三十六年五月刊)
「独絃哀歌」蒲原有明(青空文庫)
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