十五夜お月さん(野口雨情)のあらすじ・登場人物
「七つの子」を収める童謡集
- 文字数
- 6,018字
- 読了目安
- 約12分
- 表記
- 旧字旧仮名
この作品について
野口雨情の第一童謡集。1921年(大正10)刊。「七つの子」「雨降りお月さん」「螢の提灯」など、のちに広く歌い継がれる童謡を含む。素朴な日常語と繰り返し、郷里・茨城の風物を背景にした言葉の調べが特徴で、子どもの心に直接届く短い歌が並ぶ。大正の童謡運動を代表する一冊。
あらすじ
巻頭の「蜀黍畑」は「お背戸の親なし はね釣瓶 海山千里に風が吹く」と、寂しい田舎の風景から始まる。「螢の提灯」は「ぴかん ぴかん」の擬音でほたるが光って消える様子を軽やかに歌い、「日傘」は、別れた母に「物言うて くだされ」と呼びかける少女を繰り返しの調べでうたう。中ほどの「七つの子」は「烏 なぜ啼くの 烏は山に 可愛七つの子があるからよ」の一篇。ほかに「豊作唄」「九官鳥」「信田の籔」などがある。末尾には題材の虫についての注があり、茨城県の北隅ではその虫が飛ぶと初雪が近いといわれる、と記される。
冒頭部(原文より)
蜀黍畑 お背戸の 親なし はね釣瓶 海山 千里に 風が吹く 蜀黍畑も 日が暮れた 鶏 さがしに
「十五夜お月さん」野口雨情(青空文庫)
末尾部(原文より)
郷土の人と土とに親みの多い二三の方言が、本書童謡中にとりいれてあります。たとへば、「背戸」(第一頁其他)とは家の裏のことです。「てつこ盛つた」(一四五頁)とは、山盛りに盛つたと云ふ意味です。又「雪降り小女郎」(一五五頁)とは、東京で云ふおほわたこわた(背に白き粉のある小虫の名)のことです。晩秋の曇つた日などに多く、群つて飛びます。私達の地方(茨城県の北隅)ではこの虫が飛ぶと、軈て初雪の降るしらせだと云つてをります。
「十五夜お月さん」野口雨情(青空文庫)
名文
十五夜お月さん 御機嫌さん 婆やは お暇とりました 十五夜お月さん 妹は 田舎へ 貰られて ゆきました
野口雨情の童謡「十五夜お月さん」の冒頭。本居長世が作曲。月に呼びかけながら、奉公に出された身の上の寂しさを歌う。
原文を読む
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