枯草(野口雨情)のあらすじ・登場人物
民謡詩人のはじまりの詩集
- 文字数
- 2,937字
- 読了目安
- 約6分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
野口雨情の最初の詩集。1905年(明治38)3月刊。巻頭に「花も実もなき枯草の一篇わが親愛なる諸兄に捧ぐ」と記す。のちの民謡・童謡とは違い、文語調の新体詩で「村の平和」「佐渡が島」などを収める。若い日の雨情が抱いた、故郷の自然への愛情と生活の苦さが読み取れる初期作品。
あらすじ
巻頭の短詩は「毒も罪も草に咲くさへ毒の花、罪の花みな紅からむ」と、毒の花を美しいと詠む。「村の平和」は、有明の月の森から出て麦の緑の岡に立ち、霞の中の黄金色の菜種の花と春雨の音を聞く朝の村を描く。「佐渡が島」は金色の夕日が波に漂う島の景。その後に「籠に飼はれし鶯」の戯れ唄風の一篇があり、最後の章では、生活の貧しさを「お銭と申すしれもの」に追われて詩にならないと嘆き、「終はすべて涙なり」と結ばれる。
冒頭部(原文より)
花も実もなき枯草の一篇わが親愛なる諸兄に捧ぐ 毒も罪も 草に咲くさへ 毒の花 罪の花みな 紅からむ 羽うるはしき 例の童が
「枯草」野口雨情(青空文庫)
末尾部(原文より)
お銭と申すしれものに 百のしもどを打かれて ああ徒に手をもがき 足をもがいて詩ならず 弦にはなれし弓の矢の 月日立つのは早けれど 終はすべて 涙なり
「枯草」野口雨情(青空文庫)
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