佐藤春夫詩集(佐藤春夫)のあらすじ・登場人物
青春のかたみを自ら選ぶ詩集
- 文字数
- 6,227字
- 読了目安
- 約12分
- 表記
- 旧字旧仮名
この作品について
佐藤春夫が1926年(大正15年)、第一書房から刊行した自選詩集。堀口大學に献じられた本書には、志を立ててより二十年、青春のかたみとして残った詩篇が収められている。「幼き歌」「寒蝉鈔」「海の若者」などの抒情詩に、耽美と郷愁、青春の哀歓がうたわれ、末尾には愛誦の訳詩も添えられた、大正抒情詩を代表する詩人・佐藤春夫の詩心の精華である。
あらすじ
「數奇なるはわがうたの運命なるかな。かつては人に泣かれしものを、いまは世に喜ばるるとぞ」――そう記す自序(詩集はしがき)にはじまる本書は、佐藤春夫が、志を立ててよりの二十年の朝夕のなかから、「青春のかたみ」として選び集めた自選詩集である。堀口大學に献じられ、大正十五年三月、故郷で病む父を看とるかたわらに編まれた。「幼き歌」「同心草」「寒蝉鈔」「消閑雑詩」「海の若者」といった詩篇には、澄んだ抒情と、耽美、そして深い郷愁がうたわれ、恋のかなしみ、青春の哀歓、老いの嘆きが、こまやかな調べにのせて刻まれている。巻末には、エドワード・トマスやアンナ・ウィッカムら、春夫が愛誦した詩の訳も添えられている。近代日本の抒情詩を代表する詩人・佐藤春夫の、詩心の精華というべき一巻である。
冒頭部(原文より)
詩集はしがき 數奇なるはわがうたの運命なるかな。かつては人に泣かれしものを、いまは世に喜ばるるとぞ。しかも評家は指ざし哂ひて餘技なるのみといふ。或は然らむ。魯なるわれは餘技なるもののために命をささげ來にけらし、志してより二十年のこの朝夕を。かくてわが青春のかたみにと一卷の歌ぐさぞ僅にわれにのこりたる。
「佐藤春夫詩集」佐藤春夫(青空文庫)
末尾部(原文より)
幼き歌 夕づつを見て きよく かがやかに たかく ただひとりに なんぢ 星のごとく。
「佐藤春夫詩集」佐藤春夫(青空文庫)
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