一九三二・二・二六(槙村浩)のあらすじ・登場人物
塀の向こうの同志へ
- 文字数
- 954字
- 読了目安
- 約2分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
一九三二年二月二十六日の兵営を舞台に、斃された同志を思う詩。営舎の塀の外から見つめる「おれ」の目を通じて、兵士たちへ呼びかけるビラを撒く行動が描かれる。槙村浩の闘いの姿勢が伝わる短い詩。
あらすじ
営舎の高窓ががたがた揺れるなか、ばったのように塀の下にくっついている「おれ達」の上を、風が横なぐりに吹く。兵営の窓を往き来する黒い影と銃剣を見つめながら、「おれ」は、斃されたふたりの同志を思う。おれは君を知らない、経歴も、兵営にもぐり込んで何をしたかも。塀を隔てて手探りにお互いを求め合い、手と手はすれ違ったまま行き違ったのだと語る。やがて「おれ達」は立ち上がって塀を乗り越え、手にはビラ、ポケットにはドスを持って突進する。結びは、風よ、このビラを兵営の隅々へ撒き散らせ、塀よ「兵士委員会を作れ!」の叫びを跳ね返せ、という呼びかけ。
冒頭部(原文より)
営舎の高窓ががた/\と揺れる ばったのやうに塀の下にくつゝいてゐる俺達の上を 風は横なぐりに吹き 芝草は頬を、背筋を、針のやうに刺す 兵営の窓に往き来する黒い影と 時どき営庭の燈に反射する銃剣を見詰めながら おれは思ふ、斃されたふたりの同志を
「一九三二・二・二六」槙村浩(青空文庫)
末尾部(原文より)
風よ 兵営の隅々までこのビラを蒔き散らせ! 塀よ 「兵士委員会を作れ!」 の叫びを営庭一ぱいに跳ね返せ! ―一九三二・四― 「大衆の友」四月号 (1)四四 (2)斬
「一九三二・二・二六」槙村浩(青空文庫)
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