風景(山村暮鳥)のあらすじ・登場人物
いちめんのなのはな
- 文字数
- 243字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
「いちめんのなのはな」——この一行を延々と繰り返すだけで一面の菜の花畑を出現させてしまう、日本近代詩でもっとも有名な実験詩の一つ。副題は「純銀もざいく」。詩集「聖三稜玻璃」に収められ、発表当時は難解と酷評されたが、いまでは教科書にも載る山村暮鳥の代表作となった。同じ言葉の反復のあいだに、麦笛・ひばり・昼の月がわずかに差しはさまれる。
あらすじ
「いちめんのなのはな」という一行が、ひたすら繰り返される。七行つづいたあと、「かすかなるむぎぶえ」がまぎれこむ。ふたたび「いちめんのなのはな」が八行つづき、こんどは「ひばりのおしやべり」がまじる。さらに八行を経て、「やめるはひるのつき」——病んだ昼の月が、菜の花の海の上にほのかに浮かぶ。そして最後にもう一行、「いちめんのなのはな」。読み手はいつしか、文字の反復そのものが黄色い花の連なりに見えてくる。意味を語らず、言葉を敷きつめることだけで風景を現出させたこの詩は、副題「純銀もざいく」のとおり、一つ一つの語をモザイクの小片のように並べた造形の詩である。詩集「聖三稜玻璃」(1915年)に収められ、当時は理解されなかったが、のちに近代詩を代表する一編として広く読まれるようになった。
冒頭部(原文より)
いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな かすかなるむぎぶえ いちめんのなのはな
「風景」山村暮鳥(青空文庫)
末尾部(原文より)
いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな やめるはひるのつき いちめんのなのはな
「風景」山村暮鳥(青空文庫)
名文
いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな かすかなるむぎぶえ いちめんのなのはな
同じ一行を敷き詰めるだけで菜の花畑の広がりを現出させた実験詩。副題「純銀もざいく」のとおり、言葉を並べて風景を組み上げる。
原文を読む
原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。
同じ作家の作品
- 聖三稜玻璃 1915年(大正4年)12月
- 或る淫売婦におくる詩 1917年(大正6年)9月
- 風は草木にささやいた 1918年(大正7年)
- 雨の歌 1920年(大正9年)6月
- 雲 1925年(大正14年)