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安吾巷談01 麻薬・自殺・宗教(坂口安吾)のあらすじ・登場人物

ヒロポンと宗教の話

坂口安吾 1950年(昭和25年)1月 「文藝春秋」

文字数
11,211字
読了目安
約22分
表記
新字新仮名
種別
随筆

この作品について

1950年(昭和25年)1月号から12月号まで「文藝春秋」に連載された、戦後の世相を描くルポルタージュ「安吾巷談」の第1回。翌年、この連載は文藝春秋読者賞を受けた。伊東のヒロポン屋の話から、覚醒剤と催眠薬の経験、田中英光や太宰治の死、宗教や流行への熱狂までを、安吾自身の薬物中毒の体験をもとに論じる。戦後の混乱期の記録として読まれてきた。

あらすじ

伊豆の伊東に、ダンサー相手のヒロポン屋がいる。安吾は、旅館の番頭に連れて行かれた焼き鳥屋でその売人に出会う。話は織田作之助の注射の習慣から、自分が錠剤のヒロポンやゼドリンを使ってきた経験へ移り、使い方を間違えなければ害は少ないと語る。害が大きいのは催眠薬のほうで、自分はアドルムで中毒し、二度目の発作のとき妻が石川淳と檀一雄を呼んで助けてもらった。田中英光は催眠薬を酒の肴にかじるほどの大酒飲みで、友達が居なかったため孤独から死に至ったと安吾は見る。中毒は入院ではなく、親しい友人の助けと自分の意志で治すしかない。そこから、救いを求める心は宗教中毒と同じだとして、新興宗教、野球見物の群衆、聖火リレーなどを「集団性中毒」と呼び、最後に狂人に刃物を持たせるなという結論に至る。

冒頭部(原文より)

 伊豆の伊東にヒロポン屋というものが存在している。旅館の番頭にさそわれてヤキトリ屋へ一パイのみに行って、元ダンサーという女中を相手にのんでいると、まッ黒いフロシキ包み(一尺四方ぐらい)を背負ってはいってきた二十五六の青年がある。

「安吾巷談01 麻薬・自殺・宗教」坂口安吾(青空文庫)

末尾部(原文より)

 しかし一方、狂人は自らの狂気を自覚しないところに致命的な欠点があるから、ここが非常にむつかしい。狂人には刃物を持たせないこと。最後にはこれだけしかない。権力とか毒薬とか刃物とかバクダンとか、すべて危険な物を持たせないことが、狂人を平和な隣人たらしめる唯一の方法なのである。

「安吾巷談01 麻薬・自殺・宗教」坂口安吾(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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