青森(太宰治)のあらすじ・登場人物
中学時代を過ごした青森への追想
- 文字数
- 663字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字旧仮名
- 種別
- 随筆
- 舞台
- 青森県
この作品について
太宰治の短い随筆。中学時代の四年間を過ごした青森の町と、世話になった親戚・豊田家の「おどさ」への感謝、そして若き日に出会った版画家・棟方志功の思い出を、あたたかく綴った小品である。
あらすじ
「青森には、四年ゐました。青森中学に通つてゐたのです」——太宰は、中学時代を過ごした青森の町を、なつかしく振り返る。寺町の呉服屋・豊田家に世話になり、そこの「おどさ(お父さん)」に、ずいぶん力こぶを入れて励ましてもらったこと。少しでも佳い成績をとると、世界中の誰よりも喜んでくれたその人が、自分が立派な仕事をせぬうちに亡くなってしまった残念さ。そして——中学二年のころ、寺町の小さな花屋で二円で買った洋画を「この画はいまにきっと高くなります」と生意気を言って豊田家に贈った、その画が、じつは若き日の棟方志功の初期の傑作だったこと。「あの画が、もつと、うんと、高くなつてくれたらいゝ」と願う、太宰のあたたかなユーモアと郷愁のにじむ小品である。
冒頭部(原文より)
青森には、四年ゐました。青森中学に通つてゐたのです。親戚の豊田様のお家に、ずつと世話になつてゐました。寺町の呉服屋の、豊田様であります。豊田の、なくなつた「お父さ」は、私にずいぶん力こぶを入れて、何かとはげまして下さいました。私も、「おどさ」に、ずいぶん甘えてゐました。
「青森」太宰治(青空文庫)
末尾部(原文より)
棟方志功氏の姿は、東京で時折、見かけますが、あんまり颯爽と歩いてゐるので、私はいつでも知らぬ振りをしてゐます。けれども、あの頃の志功氏の画は、なか/\佳かつたと思つてゐます。もう、二十年ちかく昔の話になりました。豊田様のお家の、あの画が、もつと、うんと、高くなつてくれたらいゝと思つて居ります。
「青森」太宰治(青空文庫)
原文を読む
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