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浅草公園(芥川龍之介)のあらすじ・登場人物

浅草公園が舞台の実験的シナリオ

芥川龍之介 1927年(昭和2年)3月

文字数
7,872字
読了目安
約16分
表記
新字新仮名
舞台
  • 東京都

この作品について

芥川竜之介晩年の実験的作品で、「或シナリオ」と副題された、映画の脚本形式の小品。浅草公園を舞台に、仁王門の大提灯や仲店、鳩の群れといった情景が、78の細かな場面(カット)として、無声映画の絵コンテのように連ねられる。

あらすじ

「浅草の仁王門の中に吊った、火のともらない大提灯」——作品は、映画のカット割りのように、番号を振られた78の場面(シーン)を積み重ねていく。雷門から見た仲店、飛びかう無数の鳩、枯れ木の並木、雑沓する人々……浅草公園の雑多でめまぐるしい情景が、無声映画の絵コンテのように、次々と切り替わりながら描き出される。物語らしい物語や心理描写を排し、映像の断片だけを連ねるこの実験的な手法は、当時の前衛的な映画表現への芥川の関心をうかがわせる。冒頭に掲げられた仁王門の大提灯の情景が、最後にもう一度くり返されて閉じられる——晩年の芥川が試みた、モダンで実験的なシナリオ形式の小品である。

冒頭部(原文より)

          1  浅草の仁王門の中に吊った、火のともらない大提灯。提灯は次第に上へあがり、雑沓した仲店を見渡すようになる。ただし大提灯の下部だけは消え失せない。門の前に飛びかう無数の鳩。           2  雷門から縦に見た仲店。正面にはるかに仁王門が見える。樹木は皆枯れ木ばかり。

「浅草公園」芥川龍之介(青空文庫)

末尾部(原文より)

          78  前の仁王門の大提灯。大提灯は次第に上へあがり、前のように仲店を見渡すようになる。ただし大提灯の下部だけは消え失せない。 (昭和二年三月十四日)

「浅草公園」芥川龍之介(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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