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ガラマサどん(佐々木邦)のあらすじ・登場人物

ガラマサどんの横這い這い

  • 風刺

佐々木邦 1930年(昭和5年)1月 「キング」

文字数
98,951字
読了目安
約3時間18分
表記
新字新仮名
種別
小説
舞台
  • 東京都

この作品について

1930年(昭和5年)、「キング」に一年にわたって連載された佐々木邦のユーモア小説。語り手の熊野君は、頭は悪くないが「勤め運」だけがとびきり悪い男で、会社が潰れ、上役と衝突し、雑誌社を追われ、失業しては次を探すことにかけてだけは名人である。ようやく拾われた大きなビール会社で、蟹に似た体つきから「ガラマサどん」と呼ばれる勲三等の社長に目をつけられ、その自叙伝の代筆係を命ぜられてしまう。出世と保身、見栄と忖度に右往左往する会社員の生態を、穏やかな笑いで描き出した代表作。

あらすじ

長男が小学校で全甲を取ると、妻は「矢っ張りこの子は頭が好いわ」と得意になり、「おれに似たんだ」と私は主張する。頭は悪くない、ただし勤め運だけが絶望的に悪い。最初の会社は三年で潰れ、次の新聞社では意地の悪い上役と正面衝突して馘首、雑誌社では小遣い稼ぎの原稿が祟って体よく追い出された。そのたび母校の三好さんに「又不可抗力に出会いました」と泣きつく。九年かかってようやく落ちついたのが、大きなビール会社である。同僚の香川君が教えてくれたところによると、社長の手取りは年十万、勲三等、そして蟹に似た体つきから「ガラマサどん」という綽名がある——勲章を貰った祝賀会で酔って「ガラマサどんの横這い這い、キンキラキンのキンキラキン」と歌ったのが始まりだという。やがて私は社長室に呼ばれ、小説を書くそうだねと詰め寄られる。探偵物を家で書いているだけです、と身を固くする私に社長が命じたのは、自分の一代記を代筆せよという途方もない役目だった。

登場人物

冒頭部(原文より)

失業の名人  長男が小学校へ入学して、初めての成績が全甲だった時、妻は、 「矢っ張りこの子は頭が好いわ」  と得意になった。 「おれに似たんだ」  と私は主張した。 「オホヽ」 「何だい?」 「然うでございましょうよ」

「ガラマサどん」佐々木邦(青空文庫)

末尾部(原文より)

「忙しいところを五日静養したものだから、抜き差しが叶わない。落ちついてから又大いにやろう」  と社長は万事多忙に託けて、昼食を済ますと間もなく帰って行ってしまった。

「ガラマサどん」佐々木邦(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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