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春の夜は(芥川龍之介)のあらすじ・登場人物

春の夜の九つの断章

芥川龍之介 1927年(昭和2年)4月 「中央公論」

文字数
1,096字
読了目安
約2分
表記
新字旧仮名
種別
随筆

この作品について

芥川龍之介の晩年の小品。「春の夜」をめぐる九つの短い断章を並べ、見たもの、聞いた言葉、空想、時計の進みなどを書き留める。末尾に昭和2年2月5日の日付がある。筋はなく、断片の連なりで春の夜の気配を描く。

あらすじ

丸の内の裏通りで野菜サラドの匂いを感じる一節に始まり、友人Uとの夜の怖さをめぐる会話、電車に乗る中国の少女の耳の根の垢、白馬の頸すじに触れたい誘惑、鮫の卵を食べたくなったこと、カフェ・プランタンの窓が牧場に開く空想、「やすちゃんが青いうんこをしました」という子どもの言葉、三月の夜にペンを休めた時に進んでいる懐中時計、そして誰かが爪を磨き、レースをかがり、鸚鵡を絞め殺す、断片的な光景と、春宵の詩を考える肥った紳士の一場面まで、九つの断章が並ぶ。

冒頭部(原文より)

一  僕はコンクリイトの建物の並んだ丸の内の裏通りを歩いてゐた。すると何かを感じた。何か、?――ではない。野菜サラドのである。僕はあたりを見まはした。が、アスフアルトの往来には五味箱一つ見えなかつた。それは又如何にも春の夜らしかつた。 二  U――「君は夜は怖くはないかね?」  僕――「格別怖いと思つたことはない。」

「春の夜は」芥川龍之介(青空文庫)

末尾部(原文より)

誰か、――ではない。まるまると肥つた紳士が一人、「詩韻含英」を拡げながら、未だに春宵の詩を考へてゐる。……

「春の夜は」芥川龍之介(青空文庫)

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