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心の王者(太宰治)のあらすじ・登場人物

学生よ神の傍らに座せ

太宰治 1940年(昭和15年)1月 「三田新聞」

文字数
2,166字
読了目安
約4分
表記
新字新仮名
種別
随筆

この作品について

太宰治の短い随筆。1940年(昭和15年)1月25日、「三田新聞」に発表された。慶應義塾の学生から随筆を頼まれたことを機に、学生とは何かを問い、シラーの物語詩「地球の分配」を引いて、地上の分け前を持たなくても神の傍らに座れる「心の王者」の特権を、学生に自覚させようと語りかける。

あらすじ

寝ていたところへ三田の学生二人が随筆を頼みに来た。年齢が見分けにくくなった近ごろ、学生が編輯者になりきっているのを作者は不憫に思う。学生は社会のどの部分にも属さず、「思索の散歩者」「青空の雲」でなければならないと言い、その姿の答えとして、シラーの物語詩「地球の分配」を語る。ゼウスが世界を人間に分け与えると、人々は先を争って取り合うが、遅れて来た詩人には何も残らない。詩人が神の傍らで天上の音楽に聞き入っていたと答えると、ゼウスは、ならば天上に来たいときはいつでも来い、そこは空けておくと言う。作者は、これこそ学生の姿だと言い、陸の王者を歌うと同時に「心の王者」を自任せよと励まして結ぶ。

冒頭部(原文より)

先日、三田の、小さい学生さんが二人、私の家に参りました。私は生憎加減が悪くて寝ていたのですが、ちょっとで済む御話でしたら、と断って床から抜け出し、どてらの上に羽織を羽織って、面会いたしました。

「心の王者」太宰治(青空文庫)

末尾部(原文より)

三田の学生諸君。諸君は常に「陸の王者」を歌うと共に、又ひそかに「心の王者」を以て自任しなければなりません。神と共にある時期は君の生涯に、ただ此の一度であるのです。

「心の王者」太宰治(青空文庫)

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原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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