五百五十句(高浜虚子)のあらすじ・登場人物
『五百句』に続く自選句集
- 文字数
- 19,283字
- 読了目安
- 約39分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
高浜虚子が『ホトトギス』五百五十号を記念し、昭和11年から15年にかけての約六年間に詠んだ句から五百五十句を選んだ自選句集。先に出した『五百句』の続編にあたる。句の下に詠んだ日付と句会の名が付され、戦時下に入る日常のなかでの虚子の句作の様子が見える。
あらすじ
序で虚子は、先に『五百句』を出したあと、桜井書店から新たな書物を求められ、『ホトトギス』五百五十号を記念して昭和11年から15年までの約六年間の句から五百五十句を選んだ経緯を述べる。『五百句』が約四十五年の句から選んだのに対し、今回は六年間から選んだため、句の密度が高いとも記す。本文は年ごとに句が並び、各句には日付と句会の名、場所が添えられる。神社への奉納句、東京句謡会、除夜詣の句会など、日々の吟行や行事の折の作が多い。巻末は昭和15年12月31日の「人顔はやうやく見えず除夜詣」などの句で閉じる。
冒頭部(原文より)
序 さきに『ホトトギス』五百号を記念するために改造社から『五百句』という書物を出した。これは私が俳句を作りはじめた明治二十四、五年頃から昭和十年までの中から五百句を選んだものであった。先頃桜井書店から何か私の書物を出版したいとの事であったので、『ホトトギス』が五百五十号になった記念に、その後の私の句の中から五百五十句を選み出してそれを出版して見ようかと思い立った。思い立ってから大分日がたった。この月出ている『ホトトギス』は五百六十一号になっている。それはどうでもいいとして、昭和十一年から昭和十五年まで約六年間の間に五百五十句を選んだのであるから、前の『五百句』の約四十五年の間の句の中から五百句を選んだのに比較して見て少し精粗の別がないでもないが、要するに記念のための出版であって、その他の事は格別厳密に考える必要もないのである。『五百五十句』という書物の名にしたけれども五百七、八十句になったかと思う。それも厳密に考える必要はないのである。
「五百五十句」高浜虚子(青空文庫)
末尾部(原文より)
十二月三十一日 信濃神社は宗良親王を祀る。奉納の句を徴さる。 伏して思ふ朧々の昔かな 十二月三十一日 霧島神社奉納句を徴さる。 伸び上り高く抛りぬ札納 人顔はやうやく見えず除夜詣 十二月三十一日 除夜詣句会。浅草寺境内、江の島料理。
「五百五十句」高浜虚子(青空文庫)
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