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満韓ところどころ(夏目漱石)のあらすじ・登場人物

旧友に連れられた満洲見物

夏目漱石 1909年(明治42年)10月 「朝日新聞」

文字数
74,562字
読了目安
約2時間29分
表記
新字新仮名
種別
随筆

この作品について

1909年秋、旧友で南満洲鉄道総裁の中村是公に誘われて満洲を旅した漱石が、同年10月から朝日新聞に連載した旅行記。大連・旅順・営口・奉天・撫順などをめぐり、満鉄の事業、現地の人々、旧友との再会を軽妙に描く。連載は撫順の炭坑を訪ねたところで年末を迎え、ひとまず筆が置かれた。

あらすじ

満鉄の総裁になった旧友の是公に、いっしょに連れて行ってやろうかと誘われた「余」は、急性胃カタルに苦しみつつ、神戸から船で大連に向かう。大連では総裁の宿舎に迎えられ、豆油の工場や満鉄の施設、友人の農学者橋本の案内で化物屋敷と呼ばれる社員宿舎などを見て回る。旅順では、日露戦争の戦跡である山や港を馬車で巡る。腹痛は続き、トロッコで熊岳城の梨畑へ行き、土の壁の村や清の人々の暮らしを目にする。湯崗子では温泉に入り、奉天では満鉄公所に泊まって旧跡や市街を見る。最後に撫順の炭坑を訪れ、坑長の案内で整った街並みを見下ろし、暗い坑内に入る。新聞に書いて来るうちに大晦日になり、二年に亘るのも変なのでひとまずやめる、と断って終わる。

冒頭部(原文より)

 南満鉄道会社っていったい何をするんだいと真面目に聞いたら、満鉄の総裁も少し呆れた顔をして、御前もよっぽど馬鹿だなあと云った。是公から馬鹿と云われたって怖くも何ともないから黙っていた。

「満韓ところどころ」夏目漱石(青空文庫)

末尾部(原文より)

 食後は坑内を見物する事になった。田島君という技師が案内をしてくれた。入口で安全灯を五つ点して、杖を五本用意して、それを各自に分けて、一間四方ぐらいの穴をだらだらと下りた。

「満韓ところどころ」夏目漱石(青空文庫)

名文

南満鉄道会社っていったい何をするんだいと真面目に聞いたら、満鉄の総裁も少し呆れた顔をして、御前もよっぽど馬鹿だなあと云った。

『満韓ところどころ』の書き出し。旧友の満鉄総裁・是公との気安いやりとりから旅が始まり、紀行全体の飄々とした調子を予告する。

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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