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南窗集(三好達治)のあらすじ・登場人物

友の死を悼む四章を収めた詩集

三好達治 1932年(昭和7年)8月

文字数
2,225字
読了目安
約4分
表記
旧字旧仮名

この作品について

三好達治の第2詩集。1932年(昭和7年)8月に椎の木社から刊行された。第1詩集『測量船』のあと、より簡潔で日常に近い言葉による詩を集めた。親友梶井基次郎の死を悼む「友を喪ふ」四章を収める。『測量船』の叙情と後の詩集を結ぶ位置にある。

あらすじ

冒頭の「鴉」は、静かな村の街道の筧にとまった一羽の鴉が、空を仰ぎ地を眺め、私が通ると翼を拡げて秤のように揺れていた、という小さな場面を歌う。「湯沸し」は、たぎりはじめた湯沸しから昼休みの小学校の校庭の記憶へ移る。「静夜」では、柱時計の音のなか、梟が鼓をうつ森の静けさがとらえられ、「蟋蟀」は新聞紙の上に飛び出した蟋蟀を描く。ほかに「土」「路傍」などの短い詩が並び、結びの「裾野」では、小鳥らが「その生涯をもて/一つの歌をうたひ暮す」と歌われる。収録作には1932年5月に「文藝春秋」に発表された「友を喪ふ」四章があり、梶井基次郎への追悼の詩として知られる。

冒頭部(原文より)

鴉 靜かな村の街道を 筧が横に越えてゐる それに一羽の鴉がとまつて 木洩れ陽の中に 空を仰ぎ 地を眺め 私がその下を通るとき ある微妙な均衡の上に 翼をめて 秤のやうに搖れてゐた 湯沸し たぎり初めた湯沸し…… それはお晝休みの 小學校の校庭だ

「南窗集」三好達治(青空文庫)

末尾部(原文より)

竹藪に吹入る風 竹藪から揚羽の蝶が飛んでくる 旅人が蕎麥屋に入る 郵便局の前に バスが止る 裾野 その生涯をもて 小鳥らは 一つの歌をうたひ暮す 單調に 美しく 疑ふ勿れ 默す勿れ ひと日とて 與へられたこの命を――

「南窗集」三好達治(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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