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もう軍備はいらない(坂口安吾)のあらすじ・登場人物

戦争は割に合わない

坂口安吾 1952年(昭和27年)10月 「文学界」

文字数
8,226字
読了目安
約16分
表記
新字新仮名
種別
随筆

この作品について

1952年10月『文学界』に発表された時評的な随筆。日本が独立を回復し、再軍備が論じられていた時期に、東京空襲の体験を引いて、戦争と軍備は割に合わないと説く。憲法の戦争放棄を、世界でただ一つ軍備熱から抜け出せる立場だと受けとめる主張で、晩年の社会批評のひとつである。

あらすじ

原子爆弾の被害写真が流行するなか、筆者は、いけないのは原爆ではなく戦争そのものだと言い切る。東京空襲の焼け跡で、折り重なる死体を前にしても何も感じなくなっていた自分の経験を語り、戦争が人間を無感動にし、人を殺すだけのものであることを示す。後半は軍備論で、十八人の子を抱える貧しい五反百姓がダンビラを買いこむ喩えを使い、盗まれるほどの財産のない国が軍備をととのえる滑稽さを説く。高い技術や豊かな生活は盗めず、戦争を起こさない国から奪うものはない。戦争放棄の憲法は与えられたものであっても、日本こそ軍備熱のキツネ憑きを世界で先に落とせる立場にあると述べ、戦争に正義も大義名分もないと結ぶ。

冒頭部(原文より)

 原子バクダンの被害写真が流行しているので、私も買った。ひどいと思った。  しかし、戦争なら、どんな武器を用いたって仕様がないじゃないか、なぜヒロシマやナガサキだけがいけないのだ。

「もう軍備はいらない」坂口安吾(青空文庫)

末尾部(原文より)

戦争とはそういうものなんだ。戦争になってしまえば、そうあるだけのことだ。  戦争にも正義があるし、大義名分があるというようなことは大ウソである。戦争とは人を殺すだけのことでしかないのである。その人殺しは全然ムダで損だらけの手間にすぎない。

「もう軍備はいらない」坂口安吾(青空文庫)

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原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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