模倣と独立(夏目漱石)のあらすじ・登場人物
人の真似と独立の二つの顔
- 文字数
- 20,636字
- 読了目安
- 約41分
- 表記
- 新字新仮名
この作品について
1913年12月、漱石が母校の第一高等学校で行った講演の筆記。文展や洋画の展覧会を見た感想から、人間は人間全体を代表すると同時に自分自身を代表するという考えを出発点に、模倣とインデペンデントの二つの傾向を論じる。若い学生に向け、日本はそろそろ西洋の模倣から独立すべき時期だと励ます。
あらすじ
講演を頼まれた経緯と母校での思い出話から始め、予備門時代の乱暴な書生のいたずらや、杉浦重剛との下駄の逸話を語る。本題では、最近見た文展と、洋画の展覧会の感想を述べる。文展の日本画は手際はよいが人格が感じられず、帰国した画家の一人は他人の絵を描き、もう一人は習った絵を上手に描くだけだった。もう一つの日本にいる人の絵は自分で自分の絵を描いているが未成品であった。そこから、人間は人間全体を代表すると同時に一個の自己も代表すると言い、前者の特徴は模倣、後者の特徴は独立(インデペンデント)だとする。親鸞やイプセンを独立の例に挙げ、独立には深い背景と同情がなければ成功せず、成功とは結果の上下ではなく行為の至誠で測るものだと言う。模倣も悪くなく、両面がともに必要だが、今の日本では独立に重きを置く時期だと励ます。
冒頭部(原文より)
今日は図らず御招きに預りまして突然参上致しました次第でありますが、私は元この学校で育った者で、私にとってはこの学校は大分縁故の深い学校であります。にもかかわらず、今日までこういう、即ち弁論部の御招待に預って、諸君の前に立った事は御座いませんでした。
「模倣と独立」夏目漱石(青空文庫)
末尾部(原文より)
文展を見てもどうもそっちの方が欠乏しているように見えるので、特にそういう点に重きを置いて、御参考のために申し上げたような次第であります。
「模倣と独立」夏目漱石(青空文庫)
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