悶悶日記(太宰治)のあらすじ・登場人物
売れない作家の悶える日々
- 文字数
- 1,532字
- 読了目安
- 約3分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 随筆
この作品について
太宰治の日記体の短文。1936年(昭和11年)6月、雑誌「文藝」に発表された。日付を伏せた「月 日」の形で、郵便受けに投げ込まれた蛇、友人からの借金、故郷の姉の手紙、不眠、「晩年」の校正など、苦しい暮らしの断片を並べる。短編集『晩年』刊行前後の、作者の精神状態を伝える一編。
あらすじ
日付を「月 日」と伏せた日記の形で、日々の出来事が短く書き連ねられる。郵便受けに生きた蛇を投げ入れた人がいて、売れない作家を嘲る仕業と思い込み、一日寝込む。苦悩を売物にするなと知人から手紙が来る。血痰が出ても、故郷は信じてくれない。除籍された身で実兄の情に頼って生きているのに、自分で稼ぐことなど考えたこともなく、檀一雄から四十円を借りる。『晩年』の校正をして、これで終わりかもしれないと思う。姉からの金と叱責の手紙を引用する。不眠、医師へ向かう細い道、モルヒネを求める夜、物を壊して家人と衝突するさまが記され、最後に、小説「白猿狂乱」を書き上げた喜びで日記が閉じられる。
冒頭部(原文より)
月 日。 郵便受箱に、生きている蛇を投げ入れていった人がある。憤怒。日に二十度、わが家の郵便受箱を覗き込む売れない作家を、嘲っている人の為せる仕業にちがいない。気色あしくなり、終日、臥床。
「悶悶日記」太宰治(青空文庫)
末尾部(原文より)
月 日。 小説かきあげた。こんなにうれしいものだったかしら。読みかえしてみたら、いいものだ。二三人の友人へ通知。これで、借銭をみんなかえせる。小説の題、「白猿狂乱。」
「悶悶日記」太宰治(青空文庫)
原文を読む
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