お月さまいくつ(北原白秋)のあらすじ・登場人物
お月さまいくつ、十三七つ
- 文字数
- 1,604字
- 読了目安
- 約3分
- 表記
- 新字旧仮名
- 種別
- 随筆
この作品について
「お月さまいくつ、十三七つ」——全国に伝わるわらべうたを集め、地方ごとの歌い分けを並べながら、北原白秋がやさしく語りかける小文。月を「若い綺麗な小母さま」と見立てる子どもの心を愛おしみ、東京・伊勢・越後・紀伊・尾張・陸中と各地の異同を示してゆく。童謡運動に生涯を注いだ白秋の、伝承童謡への深い愛情が伝わる一編。
あらすじ
「お月さまいくつ。/十三七つ。/まだ年や若いな」——東京に伝わるこの謡から話は始まる。あの子を産んでこの子を産んで、誰に抱かしよ、お万に抱かしよ……と続き、油をこぼした話から犬の太鼓へと、意味のつながらないまま調子よく展開してゆくわらべうたである。白秋は、自分たちも子どもの頃はよく紅い円い月を拝みに出ては手拍子を打って歌ったと書き、この童謡が国々でさまざまに歌いくずされていることを紹介する。伊勢では「お月さんぽつち。あなたはいくつ」、越後では「ののさまどつち」、紀伊では「あとさんいくつ」——並べられた異同はいずれも、月を若く美しい女性と見立てている点で共通している。「まつたくさう思へますものね」と白秋は同意する。続いて、月を「桃色」と言われて怒る歌(尾張)、「大事なお月さま、雲めがかくす。とても隠すなら、金屏風でかくせ」という江戸の子の気っぷのよい歌(東京)が引かれ、「ほんとに金屏風でなくては、あの若い小母さまには似合はないでせうね」と評される。最後は「兎。うさぎ。何見て跳ねる。十五夜お月さま見て跳ねる。ピヨン/\」——月夜の兎の喜びを語り、あのまあるいお月さまの中には、いつも兎が杵をもって餅を搗いている筈でしたね、と結ばれる。
冒頭部(原文より)
お月さまいくつ。 十三七つ。 まだ年や若いな。 あの子を産んで、 この子を産んで、 だアれに抱かしよ。 お万に抱かしよ。 お万は何処へ往た。 油買ひに茶買ひに。(東京)
「お月さまいくつ」北原白秋(青空文庫)
末尾部(原文より)
「兎うさぎ」といふのも御存じでせうね。 兎。うさぎ。 何見て跳ねる。 十五夜お月さま 見て跳ねる。ピヨン/\。 ほんとに、お月夜の兎のよろこびと云つたらありません。……それにしても、あのまアるいお月さまの中には、いつも兎が杵をもつて餅を搗いてゐる筈でしたね。
「お月さまいくつ」北原白秋(青空文庫)
原文を読む
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