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真珠抄(北原白秋)のあらすじ・登場人物

涙も光も真珠のように

北原白秋 1914年(大正3年)9月

文字数
3,138字
読了目安
約6分
表記
新字旧仮名

この作品について

北原白秋が1914年(大正3)9月に出した『印度更紗』第一輯に収められた短唱集。「真珠抄」と短歌からなる小冊子で、巻頭の言葉に「れうらんたれ、さんらんたれ」と創作への意気込みを記す。五七五七七にとらわれない短い詩句を連ね、涙・光・海・花といった少数の言葉を繰り返して、孤独と歓びの揺らぎを玉のように磨いてゆく。『邪宗門』の華麗さから、簡素で澄んだ表現へ向かう白秋の過渡期の仕事。

あらすじ

巻頭の「真珠抄 短唱」は、「わが心は玉の如し、時に曇り、折にふれて虔ましき悲韻を成す」と心を真珠にたとえることから始まる。続く「永日礼讃」では、海辺の草原に寝ころび、日の光があまねく降る中でただひとりになった感動を涙とともに歌う。「滴るものは日のしづく静かにたまる眼の涙」「真実寂しき花ゆゑに一輪草とは申すなり」など、短い詩句の中で光と涙、孤独と花がくり返し結びつく。巻末には『印度更紗』を月ごとに刊行し、輯ごとに題を改めていく予定が記され、第二輯は小笠原の歌になる見込みとある。

冒頭部(原文より)

印度更紗の言葉 心ゆくまでわれはわが思ふほどのことをしつくさむ。ありのまま、生きのまま、光り耀く命のながれに身を委ねむ。れうらんたれ、さんらんたれ。わがうたはまた、印度更紗の類ひならねど渋くつや出せ、かつ煙れ。 千九百十四年九月白秋

「真珠抄」北原白秋(青空文庫)

末尾部(原文より)

一、この印度更紗は本輯以後各月一輯を上梓し、輯を変ふるが毎にその名を改め、色々に印度更紗の模様の如くわが愛慕する人々の書架にかなしく入り乱さしむべし。 一、第二輯は未だ定かならねど恐らく小笠原の歌を以て満たさるべきか。敬具再拝。 八月 下浣 著者

「真珠抄」北原白秋(青空文庫)

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