羅生門の後に(芥川龍之介)のあらすじ・登場人物
処女短篇集『羅生門』に添えた自序
- 文字数
- 1,431字
- 読了目安
- 約3分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 随筆
この作品について
芥川竜之介が、最初の短篇集「羅生門」(1917年、阿蘭陀書房刊)に添えた後記。学生時代に書いた短篇をまとめたこの処女作品集をめぐって、作家として歩み出すまでの日々を、謙虚に、そしてどこか誇らしげに振り返る一文である。
あらすじ
「この集にはいっている短篇は、『羅生門』『貉』『忠義』を除いて、大抵過去一年間――数え年にして、自分が廿五歳の時に書いたものである」——芥川はそう書き起こす。当時の彼は、東京帝国大学文科の「怠惰なる学生」だった。講義にはろくに出ず、卒業論文も一週間で書き上げるようなありさまで、それでも卒業できたのは教授たちの雅量のおかげだと振り返る。発表の機関も意志もなかったころ、彼は「作家と読者と批評家とを一身に兼ねて」書いていた。やがて「帝国文学」に原稿を持ち込み、三度目に活字になったのが「羅生門」だった。加藤武雄が自分の小説を読んだと人づてに聞いて満足した、その初々しい喜び——文壇に出るまでのささやかな日々を、芥川は謙虚に、そして愛おしむように綴る。最後に、常に自分を刺戟してくれた「新思潮」の同人たちへの感謝で結ばれる。処女短篇集に添えられた、若き作家の自序である。
冒頭部(原文より)
この集にはいっている短篇は、「羅生門」「貉」「忠義」を除いて、大抵過去一年間――数え年にして、自分が廿五歳の時に書いたものである。そうして半は、自分たちが経営している雑誌「新思潮」に、一度掲載されたものである。
「羅生門の後に」芥川龍之介(青空文庫)
末尾部(原文より)
最後に自分は、常に自分を刺戟し鼓舞してくれる「新思潮」の同人に対して、改めて感謝の意を表したいと思う。(……)敢て同人に語を寄せる所以である。 大正六年五月
「羅生門の後に」芥川龍之介(青空文庫)
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