最終戦争論(石原莞爾)のあらすじ・登場人物
人類最後の大戦争は、いつ来るか
- 社会
- 文字数
- 54,272字
- 読了目安
- 約1時間49分
- 表記
- 新字新仮名
この作品について
満洲事変を主導した陸軍軍人・石原莞爾が、1940年に京都で行った講演の速記。戦争史を「決戦戦争」と「持久戦争」の交替として大観し、兵器の発達がやがて人類最後の大決戦をもたらし、その後に世界は一つに統一されると説く。日蓮の信仰と近代戦略論が結びついた異形の文明論として、賛否をこえて読まれつづけている。
あらすじ
「戦争は武力をも直接使用して国家の国策を遂行する行為であります」——講演はそう始まる。石原はまず戦争を、武力の価値が高く太く短い「決戦戦争」と、政治的手段の比重が増して細く長くなる「持久戦争」の二つに分け、西洋の戦争史がこの二つを交互に繰り返してきたと説く。古代の国民皆兵、中世の傭兵、ナポレオンの決戦戦争、第一次大戦の持久戦——その振り子は、兵器と社会の発達によって振れてきた。そして石原は、飛行機の発達によって、いずれ一挙に敵国の中枢を破壊しうる時代が来ると予測する。そのとき戦争はふたたび決戦戦争となり、それが人類最後の大戦争、すなわち「最終戦争」となる。決戦は東洋の代表と西洋の代表——日本とアメリカ——のあいだで行われ、勝者のもとに世界は統一されて、以後戦争は消滅するだろう、と。第二部の質疑応答では、日蓮の予言と国体の信仰、東亜連盟の構想、産業大革命の必然性など、多岐にわたる問いに石原自身が答えている。「私の知識は軍事以外は皆無に近い」と断りながら、信仰によって直感した最終戦争を軍事科学の側から解釈したのがこの書だと述べ、各方面からの検討と教示を請うて講演は閉じられる。
冒頭部(原文より)
第一部 最終戦争論 昭和十五年五月二十九日京都義方会に於ける講演速記で同年八月若干追補した。 第一章 戦争史の大観 第一節 決戦戦争と持久戦争 戦争は武力をも直接使用して国家の国策を遂行する行為であります。
「最終戦争論」石原莞爾(青空文庫)
末尾部(原文より)
この質疑回答の中にも、私の分を越えた僭越な独断が甚だ多いのは十分承知しており、誠にお恥ずかしい極みである。志ある方々が、思想・社会・経済等あらゆる方面から御検討の上、御教示を賜わらんことを切にお願い申上げる次第である。
「最終戦争論」石原莞爾(青空文庫)
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