寒い夜の自我像(中原中也)のあらすじ・登場人物
神よ私をお憐み下さい
- 文字数
- 345字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
中原中也の初期の代表的な詩のひとつ。寒い夜に自分の姿を見つめ、弱さを認めつつ「日光と仕事」を求める祈りの言葉が置かれる。若い詩人の孤独と自己嫌悪、救われたいという切実な願いが、平明な口語で語られる。この図書カードは作品の一部を収める。
あらすじ
この図書カードに収められているのは、詩の第二章と第三章にあたる部分。第二章では、「恋人」に向かって哀しげな歌をやめてほしいと訴える。その歌は、おまえの魂がいらいらしているから歌われるのであり、悲しみを受けとめず安易で架空な有頂天を幸福と感じ、自分を売る店を探して走り回るのは悲しいことだ、と語り手は言う。第三章は神への祈りに転じる。私は弱いので、悲しみに出遇うたび自分を支えきれず生活を言葉に換えてしまう、堅くなりすぎるか自堕落になりすぎるかしなければ自分を保てない、と告白し、弱い骨を暖いトレモロで満たし、自分自身であれるよう日光と仕事を与えてほしいと願う。末尾に一九二九年一月二十日の日付がある。
冒頭部(原文より)
2 恋人よ、その哀しげな歌をやめてよ、 おまへの魂がいらいらするので、 そんな歌をうたひだすのだ。 しかもおまへはわがままに 親しい人だと歌つてきかせる。 ああ、それは不可ないことだ! 降りくる悲しみを少しもうけとめないで、
「寒い夜の自我像」中原中也(青空文庫)
末尾部(原文より)
自堕落になりすぎるかしなければ、 自分を保つすべがないやうな破目になります。 神よ私をお憐れみ下さい! この私の弱い骨を、暖いトレモロで満たして下さい。 ああ神よ、私が先づ、自分自身であれるやう 日光と仕事とをお与へ下さい! (一九二九・一・二〇)
「寒い夜の自我像」中原中也(青空文庫)
原文を読む
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