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詩人は辛い(中原中也)のあらすじ・登場人物

私はもう歌なぞ歌はない

中原中也 1935年(昭和10年)10月 「四季」

文字数
174字
読了目安
約1分
表記
新字旧仮名

この作品について

「私はもう歌なぞ歌はない」と繰り返す、中原中也の短い詩。誰も歌を聴いていないのに聴くふりをして拍手を送る世間への苛立ちを、ほとんど子供のようなすねた口調で書いている。詩人であることの辛さを軽い皮肉にくるんで差し出す、後期の一篇。

あらすじ

語り手は「私はもう歌なぞ歌はない」と言い切る。理由は、みんな歌など聴いておらず、冷たい心で歌などどうでもいいと思っているのに、聴いているふりだけはし、盛んに拍手を送るからだ。拍手をもらってもう一つ歌おうとすると、相手はもう沢山といった顔をする。こんな御都合な世の中に歌なぞ歌わない、と同じ言葉で詩は結ばれる。聴衆への不信と、それでも歌わずにいられない詩人の自嘲がにじむ。末尾の日付は一九三五年九月十九日。

冒頭部(原文より)

私はもう歌なぞ歌はない 誰が歌なぞ歌ふものか みんな歌なぞ聴いてはゐない 聴いてるやうなふりだけはする みんなたゞ冷たい心を持つてゐて 歌なぞどうだつてかまはないのだ それなのに聴いてるやうなふりはする そして盛んに拍手を送る

「詩人は辛い」中原中也(青空文庫)

末尾部(原文より)

拍手を送るからもう一つ歌はうとすると もう沢山といつた顔 私はもう歌なぞ歌はない こんな御都合な世の中に歌なぞ歌はない (一九三五・九・一九)

「詩人は辛い」中原中也(青空文庫)

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