探偵小説とは(坂口安吾)のあらすじ・登場人物
推理小説はパズルである
- 文字数
- 2,747字
- 読了目安
- 約5分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 随筆
この作品について
自身も長編『不連続殺人事件』で探偵小説に挑んだ坂口安吾が、昭和23年に雑誌「明暗」に寄せた短い随筆。推理小説は文学よりもパズルに近く、構想の段階で犯人と謎の仕掛けが定まっていなければならない、と述べ、さらに探偵作家に合作をすすめるという一風変わった提案を示す。同じ安吾の「探偵小説を截る」と合わせて読むと、探偵小説観の全体が見えてくる。
あらすじ
推理小説は文学よりもパズルの要素が多い、と筆者は言う。文学は書き進むうちに作中人物が構想をはみ出し、予定外に展開するところに創造があるが、推理小説は犯人も動機も手口もアリバイも、構想の最初から明確に決まっていなければならない。日本ではこれまで探偵小説といえば怪奇小説ばかりで、論理的な推理小説は育たなかった。また職業作家になって多作を強いられると、パズルがマンネリになり、新手が尽きて怪奇やスリルに流れる。そこで筆者は探偵作家に合作をすすめる。五人ほどまでの愛好家が智恵を持ち寄って組み立てれば視角が広がり、種も尽きにくい。推理小説は、文学や芸術と力まず、百パーセント理知的な軽快なゲームなのだと結ぶ。
冒頭部(原文より)
推理小説というものは、文学よりも、パズルの要素が多い。
「探偵小説とは」坂口安吾(青空文庫)
末尾部(原文より)
推理小説は本来がそんな風にして作られるのが一番似合っているのだ。文学だの芸術などゝ力むところのない、軽快な、小憎らしいゲームなのである。つまり百パーセント、理知的な娯楽品なのである。
「探偵小説とは」坂口安吾(青空文庫)
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