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とんぼの眼玉(北原白秋)のあらすじ・登場人物

子どもの声を取り戻す童謡集

北原白秋 1918年(大正7年)11月 「赤い鳥」

文字数
8,347字
読了目安
約17分
表記
新字旧仮名

この作品について

北原白秋の最初の童謡集。『赤い鳥』に発表した作品を中心に、1919年(大正8)10月にまとめられた。巻頭のはしがきで白秋は、学校唱歌や翻訳調に押さえつけられた子どもたちの歌を、子ども自身の心から取り戻したいと訴える。のちの『からたちの花』『砂山』などに続く、白秋童謡の出発点。

あらすじ

はしがきは「山火事焼けるな、ホウホケキヨ、可愛いい小鹿が焼け死ぬぞ」という小田原の子どもたちの古い童謡の紹介から始まる。昔の子は自然から学んで手拍子で歌ったが、今の子は教訓的な唱歌や翻訳歌調ばかりで本来の謡を失っていると白秋は嘆き、その思いで新しい童謡を作ったと語る。収録作には「夕焼とんぼ」「蜻蛉の眼玉」「八百屋さん」などがあり、『赤い鳥』初出の作品が含まれる。巻末は「雉、雉、雉ぐるま、雉はけんけん、鳩ぽつぽ」と歌う雉ぐるまの童謡で、筑後の清水寺で今も売られる玩具のことと、行基の歌が注として添えられる。

冒頭部(原文より)

はしがき 山火事焼けるな、ホウホケキヨ、 可愛いい小鹿が焼け死ぬぞ。  これは春の暮、夏のはじめの頃に、夕方かけて、赤い山火事の火の燃える箱根あたりの山を眺めて、この小田原の町の子供たちが昔歌つた童謡の一つだと申します。  昔の子供たちはかういふ風におのづと自然そのものから教はつて、うれしいにつけ悲しいにつけ、いかにも子供は子供らしく手拍子をたたいて歌つたものでした。

「とんぼの眼玉」北原白秋(青空文庫)

末尾部(原文より)

雉、雉、雉ぐるま、 雉はけんけん、鳩ぽつぽ、 啼いてお山を今朝越えた。 雉ぐるまの玩具は今でも筑後の清水寺の観世音で売つてゐます。この寺は行基菩薩といふ方の御開基です。 ほろろうつ山の雉子の声きけば父かとぞ思ふ母かとぞ思ふ。行基

「とんぼの眼玉」北原白秋(青空文庫)

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