婦人も参政権を要求す(与謝野晶子)のあらすじ・登場人物
男子だけの選挙では足りない
- 文字数
- 5,698字
- 読了目安
- 約11分
- 表記
- 新字新仮名
この作品について
与謝野晶子が、普通選挙運動の高まりの中で、女性にも参政権を認めるべきだと訴えた評論。男子だけの普通選挙は真の民主主義ではないとして、婦人が政治に関わる権利を強く主張した。
あらすじ
二月に入って、にわかに普通選挙の運動が各地に起こった。かつて明治四十一年に政友会が提出した普通選挙法案が一度衆議院を通過しながら、元老や貴族院の保守的勢力に阻まれて頓挫したことは記憶に新しい。今年の議会に三つの選挙法改正案が提出されたのを機に、久しく眠っていた運動が十数年ぶりに復活してきたのだと筆者は見る。これに対して、私たち婦人はそうした事象を男子の間のことと冷淡に見過ごしてよいのか、と問いかける。婦人の参政権を除外した普通選挙は、愛と理性に富んだ真の民主主義者を満足させないと述べ、読者への祈りで結ぶ。
冒頭部(原文より)
二月に入って俄かに普通選挙の運動が各地に起り出しました。かつて明治四十一年に政友会の提出した普通選挙法案が一旦衆議院を通過しながら、元老や貴族院の保守的勢力の圧迫に依って頓挫してしまったことは、私たちの記憶にまだ新しいのですが、今年の議会に国民党、憲政会、政府等から各別に三つの選挙法改正案が提出された際ですから、これを好い機会として、久しく眠っていたこの運動が十幾年ぶりに復活して来たのだと思います。
「婦人も参政権を要求す」与謝野晶子(青空文庫)
末尾部(原文より)
「満二十五歳以上の日本人は男女の別なく一斉に選挙権を享有すること」、私の要求する普通選挙はこれです。婦人の参政権を除外した普通選挙は、政治を以て全日本人の政治たらしめようとする――愛と理性に富んだ――真の民主主義者をして満足せしめません。 私は皆さんの徹底した御努力を、特に日本婦人の現在の立場から祈ります」(一九一九年二月) (『婦人公論』一九一九年三月)
「婦人も参政権を要求す」与謝野晶子(青空文庫)
原文を読む
原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。