舞姫(与謝野晶子)のあらすじ・登場人物
みだれ髪のあとに咲いた歌
- 文字数
- 7,732字
- 読了目安
- 約15分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
与謝野晶子の第三歌集。『みだれ髪』『小扇』に続く初期の歌を収め、1906年(明治39)1月に刊行された。恋の高揚を大胆に歌った初期の熱から、旅や家庭、人生の機微へ広がる歌いぶりが見られる。巻頭に「西の京三本樹のお愛様に」と献辞がある。
あらすじ
巻頭に「このひと巻をまゐらせ候」という献辞があり、秋の歌から始まる。「うたたねの夢路に人の逢ひにこし蓮歩のあとを思ふ雨かな」「美くしき女ぬすまむ変化もの来よとばかりにさうぞきにけり」など、恋の思い出や華やかな装いを歌う。「恋はるとやすまじきものの物懲にみだれはててし髪にやはあらぬ」では、『みだれ髪』以来のモチーフを再び取り上げる。旅の歌、船酔い、白百合の畑を飛ぶ青鷺の夕景なども混じり、古典的な言葉遣いと自由な感情の動きが重なる。巻末には「半身にうすくれなゐの羅のころもまとひて月見ると言へ」など、艶やかな歌が置かれる。
冒頭部(原文より)
西の京三本樹のお愛様に このひと巻をまゐらせ候 あき うたたねの夢路に人の逢ひにこし蓮歩のあとを思ふ雨かな 美くしき女ぬすまむ変化もの来よとばかりにさうぞきにけり 家七室霧にみなかす初秋を山の素湯めで来しやまろうど 恋はるとやすまじきものの物懲にみだれはててし髪にやはあらぬ
「舞姫」与謝野晶子(青空文庫)
末尾部(原文より)
磯草にまどろむ君の夢が生むさくら貝こそひろひきにけれ 天人の飛行自在にしたまふとひとしきほどのものたのむなり 頬に寒き涙つたふに言葉のみ華やぐ人を忘れたまふな 半身にうすくれなゐの羅のころもまとひて月見ると言へ (明治三十九年一月)
「舞姫」与謝野晶子(青空文庫)
原文を読む
原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。