ぼくもいくさに征くのだけれど(竹内浩三)のあらすじ・登場人物
うっかりしていて戦死するかしら
- 文字数
- 205字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字新仮名
この作品について
出征を三ヶ月後に控えた若者の、ぼんやりとした実感を平易なひらがな中心の言葉で綴った短い詩。勇ましさでも悲壮でもなく、「蝶をとったり 子供とあそんだり」して過ごす自分が戦に行ったらどうなるのかという戸惑いが、素直な調子で歌われる。竹内浩三の人柄をよく伝える一篇。
あらすじ
街はいくさ語りであふれ、どこへ行っても征く話、勝った話ばかりだ。三ヶ月もたてばぼくも征くのだけれど、こうしてぼんやりしているぼくが、いくさに行ったら一体何をするだろう、手柄を立てるかなと思う。男ならみんな征くし、ぼくも征くのだけれど、なんにもできず、蝶を捕ったり、子供と遊んだり、うっかりしていて戦死するかしらと考える。そんなまぬけなぼくなので、どうか人並みにいくさができますようにと、成田山に願をかけた、と詩は終わる。
冒頭部(原文より)
街はいくさがたりであふれ どこへいっても征くはなし 勝ったはなし 三ヶ月もたてばぼくも征くのだけれど だけど こうしてぼんやりしている ぼくがいくさに征ったなら 一体ぼくはなにするだろう てがらたてるかな だれもかれもおとこならみんな征く
「ぼくもいくさに征くのだけれど」竹内浩三(青空文庫)
末尾部(原文より)
ぼくも征くのだけれど 征くのだけれど なんにもできず 蝶をとったり 子供とあそんだり うっかりしていて戦死するかしら そんなまぬけなぼくなので どうか人なみにいくさができますよう 成田山に願かけた
「ぼくもいくさに征くのだけれど」竹内浩三(青空文庫)
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