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骨のうたう(原型)(竹内浩三)のあらすじ・登場人物

戦死やあわれ

竹内浩三 1948年(昭和23年) 「伊勢文学」

文字数
404字
読了目安
約1分
表記
新字新仮名

この作品について

竹内浩三の代表作「骨のうたう」の、原型にあたるテクスト。戦死した兵士の遺骨が白い箱で故国に帰り、勲章をもらって崇められながら、誰にも愛されず粉になっていくという、国と戦争への痛烈な批判を静かな声で歌う。のちに広く知られた形とは異なる語句を含む。

あらすじ

「戦死やあわれ/兵隊の死ぬるやあわれ」と始まる。遠い他国でだまって、誰もいないところで「ひょんと」死に、ふるさとの風や恋人の眼が「ひょんと」消える。国のため、大君のために死んでしまう兵隊のいじらしさが歌われる。白い箱に入って故国をながめる骨は、帰ってきても故国の人はよそよそしく、自分の事務や女の身だしなみが大切で、骨を愛する人もいない。骨は骨として勲章をもらい高く崇められるが、骨が聞きたかったのは絶大な愛情のひびきだった。故国は発展に忙しく、女は化粧に忙しく、骨は粉になり、「なんにもなしになった」と詩は閉じられる。

冒頭部(原文より)

戦死やあわれ 兵隊の死ぬるやあわれ とおい他国で ひょんと死ぬるや だまって だれもいないところで ひょんと死ぬるや ふるさとの風や こいびとの眼や ひょんと消ゆるや

「骨のうたう(原型)」竹内浩三(青空文庫)

末尾部(原文より)

骨は骨として崇められた 骨は チンチン音を立てて粉になった ああ 戦場やあわれ 故国の風は 骨を吹きとばした 故国は発展にいそがしかった 女は 化粧にいそがしかった なんにもないところで 骨は なんにもなしになった

「骨のうたう(原型)」竹内浩三(青空文庫)

名文

戦死やあわれ 兵隊の死ぬるやあわれ とおい他国で ひょんと死ぬるや だまって だれもいないところで ひょんと死ぬるや

竹内浩三「骨のうたう」の冒頭。二十代の詩人が、兵士の死を「ひょんと」という軽い言葉で言い表す。英雄の死ではなく誰にも看取られない死を見つめ、作者自身も戦地で消息を絶った。戦争詩として今も読み継がれる。

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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