冬に死す(竹内浩三)のあらすじ・登場人物
こごえた蛾みたいに
- 文字数
- 146字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字新仮名
この作品について
竹内浩三の短い詩。障子の桟から静かに落ちた蛾に、自分自身を重ねて語る。何もせずに、ひとりで死んでゆく、という淡々とした口調が、かえって深い寂しさを伝える。
あらすじ
蛾が静かに障子の桟から落ちる。「死んだんだね」と語り手は言い、なにもしなかったぼくは、こうしてなにもせずに、ひとりで死んでゆくよと続ける。生殖もしなかった、寒くてなんにもしたくなかった、なんにもしなかったから、ひとはすぐぼくのことを忘れてしまうだろう、いいの、ぼくは。そう言って、「こごえた蛾みたいに」死んでゆく、と詩は閉じられる。
冒頭部(原文より)
蛾が 静かに障子の桟からおちたよ 死んだんだね なにもしなかったぼくは こうして なにもせずに 死んでゆくよ ひとりで
「冬に死す」竹内浩三(青空文庫)
末尾部(原文より)
ひとりで なんにもしなかったから ひとは すぐぼくのことを 忘れてしまうだろう いいの ぼくは 死んでゆくよ ひとりで こごえた蛾みたいに
「冬に死す」竹内浩三(青空文庫)
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