鈍走記(竹内浩三)のあらすじ・登場人物
生きてやる、死ぬまで
- 文字数
- 862字
- 読了目安
- 約2分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 随筆
この作品について
竹内浩三が、短い断章を「*」で区切って並べた散文詩風の文章。「生きてやる、死ぬまでのだ」から始まり、戦争や軍人、文学や女など、さまざまな事柄を、皮肉とユーモアで切り取る。当時の青年の思索の断片が詰まった、箴言集のような一編。
あらすじ
「*」で区切られた短い断片の集まり。「生きてやる、死ぬまでのだ。ただそれだけだ」と始まる。「日本語は正確に発音しよう。白ければシロイと」「バクダンを持って歩いていた。生活を分数にしていた」「おれは、機関車の不器用なバク進ぶりが好きだ」「もし、軍人がゴウマンでなかったら、自殺する」など、短く鋭い言葉が連なる。戦争の気配が濃い時代の中で、青年がものを見る目の確かさと、ひねくれたユーモアが示される。
冒頭部(原文より)
生きてやる、死ぬまでのだ。 ただそれだけだ。 * 日本語は正確に発音しよう。白ければシロイと。 * ピリオド、カンマ、クエッションマーク。 でも、妥協はいやだ。 *
「鈍走記」竹内浩三(青空文庫)
末尾部(原文より)
おれは、人間という宿命みたいなものをかついで鈍走する。すでに、スタアトはきられた。 * どちらかが計算をはじめたら、恋愛はおしまいである。計算ぬきで人を愛することのできない奴は、生きる資格がない。 * いみじくもこの世に生まれたれば、われいみじくも生きん。生あるかぎり、ひたぶるに鈍走せん。にぶはしりせん。
「鈍走記」竹内浩三(青空文庫)
原文を読む
原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。