文語詩稿 一百篇(宮沢賢治)のあらすじ・登場人物
岩手の土地と人を刻む文語詩
- 文字数
- 13,944字
- 読了目安
- 約28分
- 表記
- 新字旧仮名
- 舞台
- 岩手県
この作品について
『文語詩稿 五十篇』と対をなす、賢治晩年の文語詩集。1933年8月に定稿が集められた。目次には「母」「岩手公園」「種山ヶ原」「ポランの広場」「早池峯山巓」「岩手山巓」など、賢治の暮らした岩手の土地や人々を題にした作品が並ぶ。町の床屋や歯科医院、農夫や技師の姿を短い文語に収め、賢治の童話や口語詩と地続きの世界をのぞかせる。
あらすじ
目次に「母」「岩手公園」「選挙」「崖下の床屋」「祭日」「保線工手」「種山ヶ原」「ポランの広場」「巡業隊」「医院」と並び、さらに「来々軒」「林館開業」「コバルト山地」「旱害地帯」「早池峯山巓」「社会主事 佐伯正氏」「廃坑」「紀念写真」などが続く。町の店や病院、鉄道工夫、農夫、技師といった人物の一場面が、七五調の二句を上下に並べた詩稿の形で収められる。巻末近くの〔燈を紅き町の家より〕では、偽りの電話が来て、うみべより売られた子を思いながら、霧のなか鈍びた二重マントの男が銅版の紙片を想う。農村の貧しさや病、祈り、山の自然が短い行に凝縮され、賢治の最晩年の詩境が示される。
冒頭部(原文より)
目次 母 岩手公園 選挙 崖下の床屋 祭日〔一〕 保線工手 〔南風の頬に酸くして〕
「文語詩稿 一百篇」宮沢賢治(青空文庫)
末尾部(原文より)
〔燈を紅き町の家より〕 燈を紅き町の家より、 いつはりの電話来れば、 (うみべより売られしその子) あわたゞし白木のひのき。 雪の面に低く霧して、 桑の群影ひくなかを、 あゝ鈍びし二重のマント、 銅版の紙片をおもふ。
「文語詩稿 一百篇」宮沢賢治(青空文庫)
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